中島みゆきが沁みる夕暮れ
ブックオフに行ってきた。
行く前までも買う気は無かったんだけど、
モヤモヤしてたのでとりあえず行ってきた。
欲しい本を手に取り、汚れていたので、棚に戻した。 モヤモヤが消えた。
雨の中を小走りで車まで。
良い値段のセーターも少し濡れた。
またモヤモヤが消えた。
セーターを濡らしてまでブックオフに行ったことを後悔した。
欲しいものはいつか欲しくなくなるものがほとんどで、いつまでも欲しいものを探しているのだが、果たして見つかるだろうか。
何のために生まれて何のために生きてるか分からないけど、腹は減るし、腹は立つし、時たま嬉しくて跳ね上がる。
こんな感じの繰り返しなのかもしれない。
人といて別れはつきものだし、別れたらまた多分きっと新しい人といるのだろう。
友達が節目ごとに変わっていくみたいに。
少しづつ苦味を覚えて、ピーマンが嫌いではなくなっていく。決して好物にはなってはくれないけど。
苦味に慣れていくみたいに、社会の理不尽さにも腸が捩れるほど腹が立つこともなくなっていくのかな。
気にくわない目上の人と関わりたくないからって、所属から抜け出すこともしなくなるのかな。
アルフレッドは二人の仲を引き裂いたのかもしれないけど、トトは名声とお金を手に入れた。エレナはどうだろう。何かを手に入れたのかな。
人間ってこういうものなのかな。
何かをなくして、何かを得るのかな。
便利を手に入れた人間は、何をなくしているのかな。
元々持っている人たちは、ずっと持っていて、元々持たない人たちは、このままずっと持たないままなのかな。
だんだん年齢が上がると、知らず知らずに何かをあきらめていく。
気づかないうちに。
ノスタルジックに昔遊んでいた頃を思い出したりする。
あの頃の自分といまの自分は全く違っている。
時々温かかった日々を思い出して、時々さみしくなり温かくなる。
なくして気づいて思い出して取り戻そうともがいて、こんな感じで続いていくのかも。
そんなに悲観も楽観も。
水平線でいい。
わたしは「明日」が好きだ。